VPN 初心者がつまずきやすいのは、クライアントのインストールではなく、サブスクリプション画面を開いた直後に並ぶ用語の羅列です。サブスクリプション、ノード、回線種別、プロトコル、振り分け、グローバルモード。一語ずつなら分かるのに、つながると意味が取れず、結局「日本」「アメリカ」と書かれた行を適当に選んでしまう。
この早見表では、クライアント画面の上から下へ並ぶ順に、6つの用語を一つずつ分解します。各用語には画面で実際に見る例を添え、隣り合う概念との違いも一言補足します。読み終えたとき、すべてのパラメータを覚える必要はありません。次の3つが判断できれば十分です。このサブスクリプションが更新されたか、ノード名の接尾辞が何を意味するか、ルールモードがグローバルモードより通信量を抑えられる理由。
サブスクリプション:1本のリンクが持 アカウントと通信量
サブスクリプションは、クライアント上では通常1本のURLです。サーバー側がノード一覧、プロトコルパラメータ、トランスポート設定、通信量と有効期限の情報を1つの設定にまとめ、クライアントが一定間隔で取得してローカルのノード一覧に書き込みます。サーバーアドレス、ポート、認証パラメータ、暗号化方式を手入力する必要がない——これが、サブスクリプションが初期の手動ノード追加に取って代わった理由です。
クライアント上でサブスクリプションの痕跡が現れるのは、通常3か所です。設定画面のサブスクリプションURL入力欄、ノード一覧上部の「サブスクリプション更新済み · 230+ 回線」という表示、そしてアカウント情報の使用済み通信量と有効期限。3つが食い違うときは、まずサブスクリプションの取得に成功しているかを確認し、そのうえでノードが接続できるかを見ます。
サブスクリプションリンクはアカウントの認証情報そのものです。あなたの識別パラメータを含んでいるため、他人が手にすればあなたの通信量を消費できます。グループチャットに貼らない、公開のサブスクリプション変換サイトに投入しない、スクリーンショットに残さない。新しい端末で使うときは、古いリンクを転送するのではなくアカウントからコピーし直してください。
サブスクリプションを更新すべきタイミングは3つ。プランを変更して通信量と有効期限が変わったとき、サーバー側が回線を調整して古い一覧のアドレスが無効になったとき、クライアントが取得失敗を表示したときです。多くのクライアントは手動更新と自動更新の間隔設定に対応しています。間隔は短くしすぎる必要はなく、数時間に1回で十分です。
サブスクリプションリンクが漏れると、削られるのはあなたの通信量枠です。使用量に異常を感じたら、まずアカウント側でサブスクリプションURLを再発行してください。古いリンクはその時点で無効になります。
サブスクリプション画面には固定の数字も並びます。これらはアカウントの能力を表すもので、個々の回線の性能ではありません。
ノード:名前に入っている4つの情報
ノードとは、サブスクリプションを展開した先にある1本の具体的な接続です。少なくともサーバーアドレス、ポート、プロトコル、暗号化方式、トランスポート層、偽装パラメータを含みます。これらはサブスクリプションに書き込まれていて、クライアントはパラメータどおりに接続を張るだけ。ユーザー側で選べるのは、どのノードにつなぐかだけです。
ノード名は人間が読むためのもので、命名の習慣は提供元ごとに異なります。ただしよくある構造は4つの部分に分解できます。
| 部分 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 地域・都市 | 出口の設置場所。相手サイトから見える国・地域を決める | 日本・東京 |
| 連番 | 同じ地域の中で何台目の入口か。負荷分散に使う | 03 |
| 回線種別 | データが入口から出口までどう通るか | IEPL専用線 / 中継 / 直結 |
| プロトコル表記 | クライアントがどのプロトコルでハンドシェイクするか | VLESS / Trojan |
ひとつ注意が必要です。ノード名の地域は出口の設置場所を指し、入口サーバーの物理的な位置ではありません。「アメリカ・ロサンゼルス」と付いたノードでも、入口は中国本土側にあり、データが中継や専用線で国外に出てからロサンゼルスに着地する場合があります。回線が安定しているかは回線種別で、どんなコンテンツが見えるかは出口の地域で判断してください。
もうひとつのよくある誤解は「ノードは多ければ多いほどよい」というものです。230+ 回線はあくまでカバー範囲の広さを表し、実際に使うのはそのうち数本だけです。一覧で片っ端から試すより、用途で地域を絞り、同じ地域の中で回線種別から選ぶほうが早いです。
回線種別:直結・中継・専用線
回線種別は、データが入口から出口までどう通るかを表します。夜のピーク時間に安定するかどうかを左右し、ノード名の接尾辞の中でもっとも見る価値のある部分です。
| 種類 | データ経路 | 夜間ピーク時の挙動 | 向いている用途 |
|---|---|---|---|
| 直結 | クライアントが海外の出口へ直接接続。国際区間は公衆網を通る | 国際出口の混雑の影響を受け、ジッタが大きい | 軽い閲覧、一時的な調べもの |
| 中継 | まず中国本土側の中継入口に接続し、そこから海外の出口へ転送 | 中国本土側の区間は安定。国際区間は中継の上流次第 | 日常の閲覧、動画 |
| IEPL専用線 | 入口と出口の間を国際専用線で結び、公衆の国際出口を通らない | パケットロスとジッタが最小 | ビデオ会議、長時間接続、海外との業務 |
専用線は構築コストが高いため、同じ地域でも専用線ノードの数は直結ノードより少なめです。とはいえ選択には影響しません。1人が同時に使うのは1本の回線だからです。
区別しておきたいのは回線種別とプロトコルです。回線種別はデータがどう通るかを、プロトコルはデータをどう包むかを司ります。ノード名ではたいてい片方が前、もう片方が後ろに付くので、まとめて見ると混乱しがちです。
回線種別はサーバー側の設定で決まり、クライアントからは変更できません。ノード名の接尾辞に IEPL とあれば、その回線の入口から出口は専用線経由です。接尾辞がない場合は直結か中継と解釈してください。
プロトコル:よく使う6種類の違い
プロトコルは、クライアントとサーバーがどうハンドシェイクし、どの方式で暗号化し、中間機器から見て通信がどんな形に見えるかを決めます。サブスクリプションで指定されたプロトコルでクライアントは接続するだけで、ユーザー側に調整項目はありません。ただし違いを知っておくと「このノードがなぜつながらないのか」を理解する助けになります。
| プロトコル | ベースとなる通信方式 | 主な特徴 | よくある組み合わせ |
|---|---|---|---|
| Shadowsocks | TCP / UDP | 軽量。AEAD ストリーム暗号で設定項目が少ない | 自前構築、軽量クライアント |
| VMess | TCP | 時刻検証があり、端末の時刻が大きくずれるとハンドシェイクに失敗する | WebSocket + TLS |
| VLESS | TCP | それ自体は暗号化せず、TLS による暗号化に依存。オーバーヘッドが小さい | XTLS、Reality |
| Trojan | TCP | 標準的な HTTPS 通信に偽装し、443 番ポートを使う | TLS |
| Hysteria2 | QUIC(UDP) | 輻輳制御がアグレッシブで、パケットロスがある経路でも安定しやすい | 独立したポート |
| TUIC | QUIC(UDP) | QUIC の多重化をベースにし、ハンドシェイクが速い | 独立したポート |
プロトコルに関する実践的なポイントを2つ
1つ目、VMess は時刻に敏感です。端末の時刻が標準時刻と数分ずれるとハンドシェイクがそのまま失敗し、症状としてはネットワーク自体は正常なのに全ノードがタイムアウトします。そうなったらまずシステム時刻を合わせ、その後に回線を疑ってください。
2つ目、QUIC ベースのプロトコルは UDP を使います。一部のネットワークでは UDP が速度制限されたり遮断されたりし、症状としては接続はできるのに速度が異常に低い、あるいは数秒で切れます。同じ地域に TCP と UDP のノードが両方あるなら、まず TCP のほうで切り分けると、回線の問題かプロトコルが制限されているのかを早く見分けられます。
結論:プロトコルは新しければよいというものではありません。サブスクリプションで指定されたものを使い、つながらないときはまず端末の時刻を合わせ、次に UDP が制限されていないか確認し、最後にノードの変更を検討します。
振り分けとグローバル:ルールモードは何を判断しているか
クライアント上部には通常3つのモードがあります。グローバル、ルール、ダイレクトです。グローバルはすべての通信をプロキシのトンネルへ送り、ルールモードはルール表を上から順に照合して、一致したものはプロキシ、しなかったものは直接接続、ダイレクトモードはすべてプロキシを通しません。
振り分けルールの照合軸は主に4つ。ドメインのサフィックス、IP レンジ、プロセス名、ポートです。ルール表は上から下へ順に照合し、一致した時点で止まるため、順序が重要です。広い IP レンジのルールが具体的なドメインのルールより前に置かれていると、後ろのルールは永遠に効きません。
DOMAIN-SUFFIX,example.com,PROXY
DOMAIN-KEYWORD,update,PROXY
GEOIP,CN,DIRECT
PROCESS-NAME,chrome.exe,PROXY
MATCH,DIRECT
上の例の読み方はこうです。指定したドメインのサフィックスに一致したらプロキシ、キーワードに一致したらプロキシ、中国本土の IP レンジに解決されたら直接接続、指定プロセスの通信はプロキシ、残りはすべて直接接続。クライアントごとにルールの文法は少し違いますが、照合順序の考え方は共通です。
DNS リークとは何か
振り分けが正確かどうかは、DNS 問い合わせがどの経路を通るかに大きく左右されます。DNS リークとは、ドメイン解決のリクエストがプロキシのトンネルに入らず、ローカル回線事業者が配布する DNS に平文で出てしまうことを指します。影響は2つあります。解決結果が出口の地域と食い違い、ノードはアメリカなのにコンテンツはローカル向けに配信されることがある。もう1つ、解決リクエスト自体から、どのドメインにアクセスしたかが漏れます。
多くのクライアントはルールモードで DNS を掌握し、解決リクエストをルールに従ってプロキシ DNS かローカル DNS に振り分けます。確認方法は簡単です。ノードに接続した状態で当サイトの IP 確認ページを開き、表示される国・地域がノード名と一致するかを見てください。一致しない場合はまず DNS 設定、次にルール表を確認します。
- ✅ 普段はルールモードを選びましょう。中国本土のドメインは直接接続、海外アクセスはプロキシ経由になり、通信量も速度も合理的です。
- ✅ どのドメインをプロキシ経由にすべきか分からないときは、まずグローバルモードで通し、そこからルールを1つずつ足していきます。
- ✅ ルール表は定期的に更新され、新しいドメインにも対応する項目が追加されます。
- ❌ グローバルを常用する:中国本土のサイトも一度海外へ出て戻ってくるため、速度が落ち、通信量の消費も速くなります。
- ❌
MATCH,DIRECTをルール表の先頭に書く:後ろのルールがすべて効かなくなります。
3ステップで確認:サブスクリプションは本当に反映されているか
用語が分かったら、3つのステップでサブスクリプションが本当に反映されているか確認します。
- サブスクリプションを更新し、ノード一覧の件数がアカウント上の回線規模と合っているか確認する。
- いずれかのノードに接続し、IP 確認ページを開いて、出口の国・地域がノード名と一致するか見る。
- 中国本土のサイトと海外のサイトを1つずつ開き、ルールモードが期待どおりに振り分けているか確認する。
3つのうちどれかが期待どおりでない場合、確認する順序はサブスクリプション → ノード → ルールです。順番を飛ばさないでください。サブスクリプションの取得に失敗していれば、後の2ステップの結論は意味を持ちません。ノードがつながらないときは、まず同じ地域の別回線に替え、そのうえでルール表を疑います。
ひとことでまとめると、サブスクリプションがノード一覧を取得し、ノード名の地域が出口を、回線種別が安定性を決め、プロトコルがハンドシェイクの方法を、振り分けルールがどの通信をトンネルに入れるかを決めます。初心者のうちはパラメータを暗記する必要はありません。この流れに沿って切り分ければ十分です。